石狩大湿原の名残〜ノハナショウブの里
2017.06.17
4,000年前、石狩平野は60,000ha(釧路湿原は
既600ha)の広大な湿地帯でした。石狩川、千歳川、
豊平川、夕張川など数多くの河川が集中し、平野を
ゆっくり流れる川は大きく蛇行を繰り返していまし
た。その周辺には無数の三日月湖や湖沼を作り、
周りは深さ数メートルもある泥炭地(植物が水中
で腐らず堆積した土地)となっていました。渡り鳥
で有名な宮島沼(美唄市)もこの時期に出来たも
のです。
北海道入植後は泥炭地の耕作地化や埋め立て
によリ水位が低下、湿地帯の乾燥化で至る所で咲
き誇っていたと思われるノハナショウブが人の目に
触れる事がなくなりました。
現在でも保護なしに自生している場所(越後沼
周辺、毎年刈り取られているがそれでも毎年花を
咲かせる)もわずかに残っていますが、今後、時間
とともに「石狩湿原」の名残を残す場所は消滅し
ていくことでしょう。
ノハナショウブは現在でも石狩平野の耕作地内
の水路周辺には広範囲に散在し、石狩大湿地帯の
名残として存在していますが、これだけ大規模に見
られる所は他には有リません。
このノハナショウブの群生地は近隣住民の皆さ
んが長年にわたり保護・再生してきた貴重な場所
です。毎年6月下旬から7月中旬まで一面に咲き
誇り多くの見学者で賑わい、江別の新しい観光地
として各社で報道されています。
ノハナショウブ保存会は近隣住民の皆さんと会
員が一体となって群生地を守っています。
◆ ハナショウブ保存会事務局 小竹直樹
江別市文京台東町35-10
Te1 090-3773-6484 Fax011ー387−0415