フォーラム野幌の森
フォーラム野幌の森のトップ >> 活動報告 >> 活動報告の詳細
活動報告の詳細
中央道路沿いの草刈り廃止。
2014.08.30
◆野幌道立自然公園の中央部を横断する道路。
公園の利用計画で「野幌基線」という道路沿いの草刈りが
実施されなくなりました。
江別市道は同自然公園の第2種特別地域を通過しているので、草刈りの廃止により「風致」が向上する。現在この「歩道」は車両通行のため「危険」であり、通行車両による砂塵により「汚い」ため利用度は低い。自然公園指定からまもなく50年。指定時の「無車道」の理念実現のためにも、この市道の閉鎖が望まれる。

事のはじまり。
◆事のはじまりは、当会が瑞穂駐車場側の道路沿いで草刈り跡にエンレイソウやオオウバユリなどの植物が損傷しているのを見つけたことにはじまります。
草刈りが実施された道路は、瑞穂駐車場と登満別側を結ぶ道路で中央部の林道に瑞穂側と登満別側の江別市道が付いています。


経過は下記です。
?6月21日。当会はある調査で同公園の瑞穂側の市道を訪れた。
この際、江別市道沿いの草刈り行為により知事の定める規制リストにある植物などが損傷されていることがわかった。
?6月25日。当会は、道路管理者の江別市と自然公園管理者の北海道に呼びかけて、現地(瑞穂側市道)で確認・協議を行った。江別市による草刈りは6月19日に行われた。
ア.江別市は、上記の植物損傷が草刈りによるものであることを認め、8月予定の草刈りを中止すること、今後北海道と協議する、とした。
イ.当会は、北海道に自然公園条例10条4項11号の適用を求めた。
? 7月3日。当会は、北海道(開拓の村記念館総務部総務課)と面談した。
  ウ.同条例10条4項の適用は、10条9項3号及び同施行規則20条(23)の10により、できないとのことであった。さらに、石狩森林管理署を含めた3者協議を行うと表明した。
?7月10日 。 上記3者協議の結果として北海道から
エ.「瑞穂側市道と中央基線(林道)の草刈りは実施しない。ただし、通行に障害が生じた場合等には協議する。登満別側市道は交通量が多いため、8月25日以降に草刈りを実施するので、貴重な植物に目印を付けてくれると刈らない。」旨の連絡があった。
?8月9日。当会の基本的考え方『?自然公園の第2種特別地域を通過する道路であり、貴重な植物の個体保護ではなく、生育環境保全の観点から草刈りは好ましくない。?江別市の交通量調査によれば、瑞穂側と登満別側の交通量はほぼ同じである。?「ここから先の区間は歩道です。一般の車両は通行出来ません。江別市」との看板が設置されていることから、草刈りは廃止すべきです。』旨の文書を3者にファックスした。
?8月12日。当会を含む4者が、現地(登満別側市道)で協議した。
江別市が協議内容を持ち帰り、検討することになった。
?8月15日。北海道から当会に、江別市の決定として
オ.「?道々江別恵庭線から登満別駐車場までの区間は交通量が多いので、草刈りを実施する。?登満別駐車場から中央基線(林道)までの区間は草刈りを実施しない。ただし、交通に障害が生じた場合等には協議する。」旨の連絡があった。
※なお、公園管理者の北海道は、市道管理者の江別市(土木事務所)に草刈りを実施しないことの引き継ぎがされるよう申し入れている。
終わりに。
◆草刈りの廃止は、江別市の英断である。
冒頭述べたが、自然公園指定時から未解決のままである市道問題。「日本列島改造論」にはじまる「工業団地」造成。そうした時代の波に翻弄された一面もある。江別市が道路問題解決を成し遂げるよう見守りたい。
 この問題で自然公園条例及び同施行規則がザルのようなものであることを実感した。以下に関係箇所を引用する。
a:北海道自然公園条例10条関係「4 特別地域内においては、次に掲げる行為は、知事の許可を受けなければ、してはならない。 (11) 高山植物その他の植物で知事が指定するものを採取し、又は損傷すること。 9 次に掲げる行為については、第4項及び前3項の規定は、適用しない。  (3) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為であって、規則で定めるもの
  b:北海道自然公園条例施行規則関係「第20条 条例第10条第9項第3号に規定する規則で定める行為は、次に掲げるものとする。(23)の10 施設又は設備の維持管理を行うために必要な範囲内で木竹を損傷すること。
   c:北海道立自然公園条例による高山植物の指定(特別地域において、採取又は損傷を規制する植物は次のとおりである。) これに基づく規制植物リストがある。
前の記事を見る次の記事を見る
フォーラム野幌の森のトップに戻る